サンフーロン除草剤に発がん性はある?安全性の評価と使う時の注意点

安くてよく効く除草剤として人気の「サンフーロン」。一方で、ネットで調べると「発がん性がある」という情報も目にして、使っていいのか不安になった方もいるのではないでしょうか。

この記事では、個人の意見や噂ではなく、日本や海外の公的機関がどう評価しているかをもとに、サンフーロンの発がん性について整理します。あわせて、家庭で使うときに気をつけたいポイントも解説します。

この記事でわかること
  • サンフーロンの発がん性について、公的機関がどう評価しているか
  • 「発がん性がある」と言われるようになった理由
  • 家庭で使うときに守りたい注意点と、薬剤を使わない選択肢
目次

サンフーロン除草剤に発がん性はある?

サンフーロンの有効成分は「グリホサート」

サンフーロンは、大成農材株式会社が販売する除草剤です。有効成分はグリホサートイソプロピルアミン塩41%で、農林水産省登録 第18814号の農薬です。

そのため、「サンフーロンに発がん性はあるか」という疑問は、実質的に「グリホサートに発がん性はあるか」という問いになります。

日本の食品安全委員会は「発がん性は認められない」と判断

日本で食品のリスク評価を担う内閣府の食品安全委員会は、グリホサートについて評価を行っています。厚生労働省の資料では、食品安全委員会が発がん性試験と遺伝毒性試験の結果から、グリホサートに発がん性および遺伝毒性は認められなかったと判断したことが示されています。

また、メーカーの大成農材も、サンフーロンは急性毒性試験や慢性毒性試験(発がん性試験等)などの審査をクリアして農薬登録を受けていると説明しています。

草野さん

農薬として登録されるには、国の審査で発がん性を含むさまざまな試験をクリアする必要があります。「登録農薬であること」は、安全性を判断するうえでのひとつの目安になります。

国の審査を経た登録農薬を選びたい方は、サンフーロンの価格をチェックしてみてください。

サンフーロン(グリホサート)に「発がん性がある」と言われる理由

IARCが「グループ2A」に分類した

発がん性が話題になったきっかけは、2015年にWHOの専門機関である国際がん研究機関(IARC)が、グリホサートを「おそらくヒトに対して発がん性がある(グループ2A)」に分類したことです。

この分類がニュースなどで大きく報じられたことで、「グリホサート=発がん性がある」というイメージが広まりました。

IARCの分類は「危険の強さ」ではなく「可能性の有無」

ここで知っておきたいのが、IARCの分類と、食品安全委員会などの評価の目的の違いです。

国立医薬品食品衛生研究所の資料では、IARCはリスク評価を行わず、ハザード(害を与える可能性)の分析を行う機関であり、同じグループ2Aには赤身肉なども含まれることが紹介されています。

  • ハザード:害を与える可能性があるかどうか
  • リスク:実際の使い方や摂取量で、どのくらい害が起こりうるか

IARCは「ハザード」を、食品安全委員会などの規制機関は「リスク」を評価しています。そのため、同じ物質でも結論が異なるように見えることがあるのです。

草野さん

「発がん性がある」という情報を見かけたときは、それがハザードの話なのか、実際の使用量を踏まえたリスクの話なのかを確認すると、冷静に判断しやすくなります。

世界の公的機関はグリホサートをどう評価しているか

日本以外の主要な機関の評価も整理しておきます。

機関評価の内容
食品安全委員会(日本)発がん性・遺伝毒性は認められない
JMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会議)適正に使用されれば、食品経由の発がんリスクは予期されない
EFSA・ECHA(EU)重大な懸念は認められず、EUは2033年まで承認を更新
EPA(米国)ヒトに発がん性がある可能性は低いとの見解。ただし現在は再評価中

JMPR(FAO/WHO)の評価

IARCと同じWHO系列でも、農薬評価を担うJMPRは、グリホサートが適正に使用されるなら食品を経由した発がん性リスクは予期されないという結論を出しています。

EU(EFSA・ECHA)の評価

欧州食品安全機関(EFSA)は2023年、グリホサートについて人・動物・環境への重大な懸念領域は認められなかったと結論づけました。欧州化学品庁(ECHA)も2022年に、発がん性物質などに分類する基準は満たさないとしています。

これを受けて欧州委員会は、グリホサートの承認を2033年12月15日まで10年間更新しました。

ただし、EFSAは一部にデータの不足があることも報告しており、評価が完全に終わったわけではない点には留意が必要です。

米国(EPA)の評価

米国環境保護庁(EPA)は、グリホサートについて「ヒトに発がん性がある可能性は低い」という見解を長年示してきました。一方で、2022年に裁判所の判断を受けて中間決定を取り下げており、現在は人の健康リスク評価を更新中で、2026年後半の完了を予定しています。

このように、海外では評価の見直しが続いている部分もあります。最新の情報は、各機関の公式発表を確認するようにしましょう。

サンフーロンを家庭で使うときの注意点

公的機関の評価はいずれも「適正に使用すること」が前提です。家庭で使う際は、次のポイントを守りましょう。

散布時は肌や目を守る服装で

除草剤の散布時は、一般的に次のような服装が推奨されます。

  • 農薬用マスク
  • ゴム手袋
  • 長袖・長ズボン
  • 保護メガネ(目に入るのを防ぐ)

作業後は手や顔を石けんでよく洗い、うがいをしましょう。詳しい注意事項は、必ず製品ラベルの「安全使用上の注意」を確認してください。

散布当日は子どもやペットを近づけない

同じグリホサートを有効成分とする除草剤を販売する株式会社ハートは、散布当日は子どもやペットが散布した場所に入らないようにするよう案内しています。散布した場所には、当日は立ち入らないようにしましょう。

効果を出すための使い方

サンフーロンは葉から吸収されて根まで枯らす除草剤です。メーカーのQ&Aでは、次のポイントが挙げられています。

  • 散布後6時間以内に雨が降ると効果が落ちることがあるため、雨の降らない日に散布する
  • 井戸水や川の水は、微細な汚れに成分が吸着して効果が落ちる可能性がある
  • 散布前に草を刈ると、葉からの吸収量が足りず枯れ残ることがある
  • 枯れ始めるまでに約7~14日かかるため、焦って追加散布しない

いずれもサンフーロン公式のQ&Aに記載されている内容です。

土に落ちた成分はどうなる?

メーカーによると、土に落ちたサンフーロンは土の粒子に吸着して除草効果がなくなり、その後は土の中の微生物によって分解されるとされています。そのため、枯らした後に種まきや植え付けができるのも特徴です。

ただし、庭木の葉や若い枝、傷口にかかると吸収されて枯れるおそれがあります。樹木の近くで使うときは、飛散に十分注意しましょう。

法律上のルールも確認を

サンフーロンは農薬として登録されているため、使用できる作物・場所・使用量は登録内容で決まっています。また、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令では、住宅地やその近くで農薬を使うときは、飛散を防ぐために必要な措置を講じるよう努めなければならないとされています。風の強い日を避け、隣家の植物や洗濯物にかからないよう注意しましょう。

サンフーロンの容量の選び方

サンフーロンは500ml・2L・5L・10L・20Lの5サイズが展開されています。水で薄めて使う原液タイプなので、家庭用なら少量サイズでも十分な量の散布液が作れます。

家の周り・家庭菜園なら「500ml」

まずは試してみたい方や、家の周りのスポット除草に使いたい方向けです。使い切りやすく、保管の負担も少なくて済みます。

広い庭・畑まわり・空き地なら「5L」

広い範囲を定期的に除草したい方向けです。大容量ほど1Lあたりの価格が割安になる傾向があります。

草野さん

除草剤は、使い切れる量を買うのがおすすめです。長期間保管する場合は、子どもの手の届かない冷暗所で、食品と区別して保管しましょう。

それでも薬剤が不安な方の選択肢

公的機関の評価を知っても、「小さな子どもやペットがいるので、できれば薬剤は使いたくない」という方もいるでしょう。その場合は、防草シートを使う方法があります。

防草シートは、地面を覆って日光を遮ることで雑草の成長を抑える資材です。薬剤を使わないため、散布時の心配がなく、一度敷けば長期間にわたって雑草を抑えられます。

  • 子どもやペットが遊ぶ庭
  • 薬剤の散布を避けたい家の周り
  • 一度で長く雑草対策をしたい場所

こうした場所には、先に今生えている雑草を取り除いてから防草シートを敷くのがおすすめです。

まとめ

サンフーロンの有効成分であるグリホサートについて、日本の食品安全委員会は「発がん性は認められない」と判断しています。EUや国際機関の評価も、適正に使用する限り重大な懸念はないという結論です。

一方で、IARCが「おそらく発がん性がある」に分類したことや、米国で再評価が続いていることも事実です。

  • IARCの分類は「ハザード」、規制機関の評価は「リスク」を見ている
  • 日本では農薬として登録され、発がん性試験を含む審査をクリアしている
  • 使うときはラベルを守り、マスク・手袋を着用し、散布当日は子どもやペットを近づけない

公的機関の評価と正しい使い方を知ったうえで、ご自身の環境に合った雑草対策を選んでください。

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